開業時の手続きについて(法人)

2023年7月19日

前回の個人事業主の開業時の届出に続き、今回は法人の手続きについて。

法人はまず設立の手続きから

個人事業の場合は、税務署へ開業届を出せば事業をスタート出来ましたが、法人の場合はまず法務局にて会社設立登記を行う必要があります」。

大まかな流れだと定款の作成し、資本金を払込み、登記申請書類を作成して法務局に登記申請を行います。

この登記の仕事は、司法書士の専門分野となります。(税理士や行政書士は行えません)

まず会社を設立するとなったら、司法書士に相談にいきましょう。

登記の業務は行えませんが、税理士事務所でも設立前から今後の流れや、融資のこと、会計税務のことなどは相談に乗らせて頂けますし、司法書士の方をご紹介することも可能ですので、まずは税理士事務所にご相談頂いても大丈夫です。

これは現在個人事業主の方が法人成りする場合も同様の流れとなります。

設立後の届出・手続き

法務局での登記申請が完了し、会社の登記簿謄本が取れるようになった後、各所への手続きを行います。

 

1.法人設立届出書

 税務署へ会社設立の日から2ヶ月以内に提出します。

2.地方への法人設立届出書

 事業所の所在する都道府県及び市町村に設立の日から2ヶ月以内に提出します。

 例えば会社を大阪市で設立した場合、大阪府と大阪市それぞれに提出する必要があります。

3.個人事業の開業・廃業等届出書

 個人事業から法人成りをした場合に提出します。(最初から法人でのスタートの場合は必要ありません)

 廃業から1ヶ月以内に提出します。

4.青色申告の承認申請書

 個人の場合と同様、青色申告を行えば様々な特典があります。

 設立日から3ヶ月以内に提出します。

5.給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書

 設立日から1月以内に提出します。

6.源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書

 従業員10名未満の会社で、源泉所得税の納付を年2回とする場合の手続き。

 上記給与支払い事務所とセットで提出しましょう。(毎月納付で良ければ提出の必要はありません)

7.消費税関連の届出

 法人については、会社設立のときの資本金が1000万円未満であれば、1期目は消費税の免税事業者となります。

 1期目から消費税のインボイス発行事業者となる場合は、適格請求書発行事業者の登録申請書を提出し消費税の課税事業者となります。

 また1期目において多額の設備投資があり、消費税の還付が見込まれる場合などは消費税課税事業者選択届出書を提出します。(上記の適格請求書発行事業者の登録申請書を出している場合は、自動的に課税事業者になりますのでこちらの提出は必要ありません(令和5年10月1日から令和11年9月30日までの間の場合))

 消費税の申告について簡易課税制度を選択する場合は、消費税簡易課税制度選択届出書を提出します。

8.棚卸資産の評価方法の届出書減価償却資産の償却方法の届出書

 原則の評価方法や償却方法ではない方法を選択する場合に提出します。

 (原則どおりでいい場合は提出の必要はありません)

9.社会保険関連の手続き

 1〜8までは税金関連の手続きですが、会社を設立したら社会保険関連の手続きも必要になります。

 こちらはこちらで様々な手続きが必要となりますので、社会保険労務士に相談されることをおすすめ致します。

10.許認可手続き

 建設業の許可、飲食業の許可申請など営業を行う上で必要な許可も忘れず行いましょう。

 こちらは行政書士が専門分野の仕事となります。

おわりに

法人の届出については、個人事業の場合と違い数も多く複雑になります。

税理士だけでなく、司法書士・社会保険労務士・行政書士などそれぞれの士業へ仕事を依頼し進めていくことになります。

当事務所でもそれぞれの提携士業と連携し、ワンストップで業務を行えるような体制を整えております。

最初の手続きをしっかりと行っておかないと損する結果になる場合もあるので、出来るだけ早めにご相談に行かれることをおすすめします。

税金

Posted by 佐藤 真一