「アナタはなぜチェックリストを使わないのか?」を読んで

2023年6月26日

日々勉強のため色々な本を読むように心がけていますが、今回はその中の一冊を読んだ感想を。

テーマはチェックリスト、税理士業でもチェックリストは以前から活用していますが何か発見があるかと思いこの本を読むことにしました。

本の概要

この本の内容は、外科医である著者が手術におけるミスを減らしもっと安全に手術を行うためにはどうすれば良いのかを探っていき、すごく単純な方法であるチェックリストという手段に行き着く。

医療分野に限らずどの分野でも知識や技術は驚異的に発達してきているため、たとえ個人の知識や技量が優れていても失敗するということは頻繁に起こりうる。

それを防ぐためのチェックリストの活用だが、手術という複雑で時には臨機応変な対応が求められる分野においてそれを単純化したチェックリストを導入するなど困難に思えた。

そのためチェックリストを上手く活用している他の業界(建築業界・航空業界・料理業界・投資業界など)の話を参考にし、実際に医療分野において落とし込んでいくという話。

チェックリストのポイント

どの業界においても共通しているチェックリストのポイントは

1.複雑化しすぎない

 できるだけ項目を絞り、短い時間でチェックできるものにする(でないとみんな活用しなくなる)

2.停止点を定める

 仕事のタイミングを区切り、そのタイミングごとのチェックリストを活用する。

3.コミュニケーションを行う項目を入れる

 チームで仕事をする場合、簡単にその仕事についての話し合いをする場をを設ける。

 

仕事の経験が豊富になるほど、単純なことが省かれたり見落とされることが多くそれが重大なミスに発展することも少なくない。

また手術などチームで仕事をする場合には、コミュニケーション不足によるためミスが起こりうる。

これらの失敗を防ぐのがチェックリストである。

税理士業におけるチェックリスト

我々の業界でも税制などはどんどん複雑化していき、知識の量と複雑性は一個人が把握しきれる範疇を超えている。

そんな人間の限界を補い、仕事を効率化しミスも防ぐためチェックリストの導入は税理士業においても不可欠と言える。

実際チェックリストは勤務時代から活用していましたが、その時はやらされてる感(仕事を増やされてる感)が強かったというのが正直な感想です。(そのチェックリストもずっと前から同じものを使っていて税制が変わっていっても更新されていない代物でしたが…)

ただ今は独立して、自分の仕事の責任は全て自分に降りかかる状況ですし、何より申告におけるミスはお客様に損害を与えてしまう行為であり確実に防ぐ仕組みを作らねばなりません。

そのためチェックリストの有効活用は必須であり、かつ洗練したものにしていかねばと改めて感じました。

今まではチェックリストは申告書の作成が終わった後に、まとめてチェックを行うために使用していましたが、この書籍を参考に停止点を定めるという視点を持って行こうと思いました。

確かに最後まで作って途中の部分での漏れが見つかり、再度作り直しみたいなこともあるので、効率化という点でも有用だなと感じた点です。

 

あとは独立してからは、自分で事務作業なども行う必要があるので、そのため仕事の進捗管理表もチェックリストの用な形で活用するようにしています。

特に確定申告時期などは何件も申告を行うため、お客様ごとに進捗の状況・提出状況なども随時日付とともにチェックしています。

おわりに

チェックリストは仕事に慣れてくれば来るほど、適当にやってしまったり使わなかったりします。

しかしその仕事に慣れてきて自分は出来ているという思い込みが、ミスを発生させる一番怖い原因だと思っています。

どんなに単純なことでもミスはミスです、それを第三者的な視点で気づかせてくれるのがチェックリストです。

チェックリストを使用する時間はほんの僅か、その僅かな時間でミスを防ぐことが出来、仕事も効率化出来るなら利用しない手はないと思います。

雑記

Posted by 佐藤 真一